本記事では4年間東大に通った私の経験から,大学に行くメリット,デメリットを示し,大学に行くべき人,行かない方が良い人についてまとめます.大学への進学を迷っている人の参考になるはずです.
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大学に行くメリット
大学に行くメリットを大きい順にまとめるとこのようになります.
- 多様な人間に出会える
- 自由な時間が増える
- 大学でしかできない研究をできる
- 就職活動で選択肢が増える
1.多様な人間に出会える
これは大学に行って得られる一番大きなことです.大学に行くと本当に多種多様な人に出会うことができます.例えば僕の周りにはこんな人がいます.
- ミュージカルが大好きでダンサーになるという夢を叶えた人
- 生協や文化祭で数千部売れた新しいカードゲームを考えた人
- 合コンに連れて行ってくれる准教授(既婚)
他にも面白い人はいますが,挙げたらきりがありません.色んな価値観に触れることで自分を見つめなおすことができます.似たような人が集まった場所にいると,自らの考えも凝り固まってしまいます.大学では自分が知らないタイプの人間に出会い,自身をアップデートすることができるのです.
他の場所でも人に出会うことはできますが,大学は特に多様な人間が集まる場所だと思います.サークルに入れば他の大学の人ともつながることができるでしょう.
そして,大学で出会った人はその後の人生を通して繋がることになるのです.今はSNSが発達しているので,何かやりたいことがあればすぐに連絡を取ることができます.
大学時代に得た多様な人間関係はその後の人生において間違いなく大きな財産になるでしょう.
2.自由な時間が増える
大学生は高校生,社会人と比べると明らかに自由な時間が増えます.その時間を使ってやりたいことに思いっきり挑戦することができます.
やりたいことがない人も自由な時間を使って色んなことを経験し,これは面白いぞというものを見つけることができるかもしれません.また,色々経験していく中で,これは自分には向いてないかもというものも分かってくるでしょう.
僕の場合,大学の授業などとは別に
- テニスサークル
- 仮想通貨投資
- 自動売買bot作り
- ブログ運営
- 海外インターン
など,いろいろなことをやってみました.最後に挙げた海外インターンについて少し話します.
アメリカのニュージャージーにある会社に2週間お邪魔させていただきました.その中で,発展途上国に簡易トイレを広めるために世界中を飛び回っている石山さんという元社員の方とお会いする機会がありました.
石山さんはそのために会社を辞めて同僚3人でスタートアップ企業を立ち上げたすごい方です.彼は「堪能な英語力も大事だが、それよりも人とコミュニケーションをとろうとする気持ちが大事だ.アフリカの英語を喋れないおばちゃんとも絵を描いたり,身振り手振りで意思疎通できる」と言っていました.
石山さんとの出会いや2週間のインターンを通して,外国の方と話すのに抵抗がなくなったのは大きな収穫です.
一方で,日本を離れることで逆に日本の良さを再確認することができました.アメリカの空港で職員に道を尋ねたとき,かなり雑な対応をされて,日本だったらもっと丁寧に案内するだろうなと思ったり.また,食事面でも日本の方がおいしかったなと感じました.やっぱり住むなら日本が良いなということが分かりました.
ちなみに,大学のプログラムを使ったので2週間の宿泊費,交通費は全てただでした.こんな体験をほぼ無料でできるのも大学のメリットかもしれないですね.
このように,興味があればとりあえずやってみて,これまでにない経験ができるのは自由な時間がある大学生の特権だと言えるでしょう.
3.大学でしかできない研究をできる
初等数学など大学の学部で学ぶ程度の知識であれば,ネットにいくらでも情報があります.ただ,それ以上の知見,より研究に近い情報になるとネットで探すのも限界があります.
例えば,論文にアクセスするのに大学のアドレスが必要になることもあるのです.また,大がかりな実験設備を使う研究をするには大学に通っていた方がチャンスがあるでしょう.
教授とのつながりも長い目で見ればいつか役に立つときが来るかもしれません.
大学で得られるものとしては知識よりも環境が重要だと言えます.
4.就職活動で選択肢が増える
応募条件に大学卒がある会社は多いです.単純に,大学で勉強した内容が業務に必要だったり,採用を簡単にするためだったり,理由はいろいろあるようですが,事実として,大学に行くことで一般的な就活という意味では選択肢が広がります.
それだけでなく,会社に入ってからの年収も大学卒の方が良いというデータがあります.
最近では,学歴主義は無くなってきたと言いますが,賃金に対する学歴の影響は0ではないようです.
大学に行くデメリット
大学に行くデメリットをまとめるとこうなります.
- お金がかかる
- 自己管理ができない人は堕落する
1.お金がかかる
大学にかかるお金は以下のようになります.
在学中にかかるお金のめやす(単位:円)
区分 | 授業料 | 入学料 | 施設設備費 | 合計 |
---|---|---|---|---|
国立 | 535,800 | 282,000 | 0 | 2,143,200 |
公立 | 537,809 | 393,426 | 0 | 2,151,236 |
私立文系 | 746,123 | 242,579 | 158,118 | 3,616,964 |
私立理系 | 1,048,763 | 262,436 | 190,034 | 4,955,188 |
私立医歯系 | 2,737,037 | 1,038,128 | 831,722 | 21,412,554 |
国立,公立で合計約200万,私立は350万~400万,私立医歯系は2000万円以上かかることが分かります.結構大きな額ですよね.
ただ,経済状況が苦しい家庭は授業料免除制度などを利用することができます.実際,母子家庭,世帯年収が300万程度の僕の先輩は授業料を免除されています.気になる方は調べてみましょう.
2.自己管理ができない人は堕落する
自由な時間があることの裏返しですが,自己管理ができない人は堕落します.特に目的もなく大学生活を送ってしまい後悔する人もいると思います.
ただ,これは大学に限った話ではないはずです.社会で働くことになっても,自分で勉強し成長する気が無い人は堕落する一方でしょう.(ここでの勉強は学校での勉強とは別の意味です.)
まとめ:結局大学に行くべきなのか
以上の情報を踏まえてどんな人が大学に行くべきなのかまとめます.
- 多様な人間に出会える
→自分を見つめ直す.人間関係は財産 - 自由な時間が増える
→やりたいことを見つけられる - 大学でしかできない研究をできる
- 就職活動で選択肢が増える
- お金がかかる
→給付型奨学金などを利用可 - 自己管理ができない人は堕落する
→大学に限った話ではない
これらの点から,積極的に大学に行かない理由がなければ行くことをオススメします.
大学に行くべき人
- 大学でやりたいことがある人
学びたい学問分野があったり,高校での勉強の先を知りたかったり,研究したい人は大学に行くべきです. - やりたいことが分からない人
大学では自由に使える時間が増えるため,いろんなことにチャレンジできます.やりたいことが分からない人は行った方が良いです.僕の感覚としては,半分以上の高校生がこのパターンだと思います.
大学に行かない方が良い(行かなくても良い)人
将来の夢が決まっていて,かつ,その実現のために大学よりも良い選択肢がある人.
例えば,
- プロ野球選手として活躍したい人.こういう人は大学に行くよりも,もっと良い練習環境がある所に行くべきです.
- 専門学校や高専で早くから専門性を身に着けたい人.料理人とか.
- 弟子入りすることが重要な職業を目指す人.落語家とか.
現在熱中していることがあり,それで稼げる見通しが立っている人.または稼げなくても当分お金に余裕がある人.
当分とは数年間生活できるくらいという意味です.本当に熱中していることがあれば,それを極めてマネタイズできるかもしれません.
例えば,
- ブロガー,ユーチューバー等で稼いでいて,これからも稼ぎ続ける自信がある人.
- モデルなどで既に活躍している人.
雑な言い方をすると,「ほとんどの人にとって大学に行くメリットを捨ててまで行かない理由が無ければ,行った方がいい.大学以外でやりたいことがあればそれを突き詰めればよい.」ということになります.
何を選ぶにしろ,自分の責任です.人から言われたからではなく,自分で考えて選びましょう!
以上で終わります.最後まで読んでいただき,ありがとうございました!こういう誰もが納得する正解がない問いは,他の意見を聞いたり,議論したりしてこそ意味があると思います.同意・反論等ありましたら,ツイッターまでコメントしてください!
最近話題の大学不要論に対する私なりの答えがこれです。
本記事では4年間東大に通った私の経験から,大学に行くメリット,デメリットを示し,大学に行くべき人,行かない方が良い人についてまとめました。
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— TOUDAIN@東大生の頭の中 (@toudaikateikyou) 2018年10月11日