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【高校化学の基礎!】mol計算の基礎と応用を東大生が徹底解説!

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どうも!東大毎日塾のうっちーです!

本記事では「mol計算と化学反応式」について分かりやすく解説します。

東大毎日塾の受講生でも、「molの計算」と「molを絡めた化学反応式」を学び始めた頃から、化学のことが嫌いになったり苦手になったりする人が多いです。

化学の授業で急に「molの計算を始めます!」と言われても、情報が一気に詰め込まれた感じがしますし、計算問題も多くなってきて追いつけないといった瞬間もあるでしょう。

そこで本記事では、molの基礎知識から、化学反応式を絡めた実際の入試問題の解き方について分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

内田悠斗(うっちー)

内田悠斗(うっちー)

東大毎日塾 代表

「受験のプロが毎日指導」がコンセプトのオンライン個別指導塾「東大毎日塾」を運営。
オーダーメイドの計画指導と毎日の徹底した学習管理で、難関大学への逆転合格を多数実現。
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molの意味と役割

まず「molの意味と役割」について解説していきます。

molとは簡単に表現すると、物質量のことです。

molのことをよくわかっていない人は、その性質や意味をよく理解できていない傾向があります。

世の中にでは、水素などの原子、水などの分子、その他電子のような微細なつぶが、総称として「粒子」と呼ばれていますが、この粒子が「6.02*1023個分」集まった塊が1molとして定義されています。

たとえば、鉛筆を買うときも箱に入った12本入りの鉛筆を買うかと思います。

この12本は1箱に入った「1ダース」として計算されます。

粒子の世界も同じで、粒子一つ一つを数えるのが非常に大変なので、「6.02*1023個」という膨大な数をひとまとめにして1molとして定義したということです。

「6.02*1023個」という数量自体は定義として存在するだけなので「そういうものなんだ」と、存在だけ捉えて覚えておきましょう。

なお、この数字の所以としては、6.02*1023という数字はアボガドロ数と呼ばれています。

なぜ「6.02*1023個」と中途半端な数字なのかと疑問に思う人もいるかもしれません。

これは、原子がある個数だけ集まったときの質量が、ちょうどその原子の質量数と一致するようにということで決まっています。

物理や化学の世界で中途半端な数字が出てきたら、何かしらで都合が良いように決められていると思っておきましょう。

また、この1molはどのような水素や炭素といった原子が6.02*1023個分集まっても1molですし、水や塩化ナトリウムなどの分子の数が6.02*1023個分集まっても1molとなります。

東大毎日塾<br>うっちー

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うっちー

molの意味と役割をしっかりと理解しておきましょう!

molの単位には4つの役割がある

molの単位には4つの役割があり、

  • ①モル質量(g​/​mol)
  • ②モル体積(L/mol)
  • ③モル濃度(mol/L)
  • ④質量モル濃度(mol/kg)

となります。

少し話が逸れてしまいますが、物理や化学の理解は「単位が全て」といっても良いくらい「単位」が大切です。

というのも、単位さえ覚えていれば、質量gから物質量molに変換できたり、体積のLに変換ができたりするようになるので、計算問題自体がグッと楽に解けるようになるからです。

これから説明するmolも例外ではありませんので、本記事を繰り返し読んだり、問題を繰り返し解いたりして覚えていくようにしましょう

モル質量

molで使われる単位の一つ目がモル質量です。

「1molあたりの質量(g)をmol質量」と呼んでいて、原子量・分子量・式量にg/molをつけたものです。

例えば、塩化ナトリウムのNaClを例にします。

NaとClの原子量は「Na=23とCl=35.5」であることが元素の周期表から分かるので、NaClの式量は「23+35.5」で58.5となります。

この式量58.5が1molあたりの質量となります。

つまり単位で言うと、58.5 g/molということです。

NaClが5molあれば、58.5g/mol * 5 =292.5gあるということが分かります。

一方で「ナトリウムNaと塩素Clが反応したのちにNaClが107gできた」ということがわかっていれば、107g / 58.5g/mol=2molということも分かります。

このmol質量に関する問題は実際の入試にもたくさん出てくるので、理解できるまで繰り返し読むようにしましょう

なお、問題文に原子量は書いてあるので、丸暗記はしなくても大丈夫です。

ただ、単位は書かれていないので、原子量、式量、分子量が出てきたら、即座にg/molと結びつくようにしておいてください

モル体積

molで使われる単位の二つ目がモル体積です。

モル体積とは「標準状態である0℃、1気圧(1.013×105Pa)の環境のもとで、1molあたりの体積は22.4L」というものです。

これは、どのような分子でもその種類に関わらず、標準状態の気体では1molあたり22.4Lになるということになります。

単位としてはL/molとなるのでしっかりと覚えておきましょう。

モル濃度

molで使われる単位の三つ目がモル濃度です。

モル濃度は「溶液1Lあたりに含まれる溶質のmol数」のことになります。

単位はmol/Lです。

例えば5molのNaClと水があり、二つを合わせると2Lができた場合を想定してみます。

この時のモル濃度は「5mol / 2L = 2.5mol/L」となります。

質量モル濃度

molで使われる単位の四つ目が質量モル濃度です。

これは「溶媒1kgに含まれる溶質のmol数」を指します。

単位はmol/kgです。

モル濃度と質量モル濃度の違いとしては、分母が

  • モル濃度の場合「溶液1Lあたり」
  • 質量モル濃度の場合「溶媒1kgあたり」

になっていることです。

体積(L)か質量(kg)かも違いますし、溶液か溶媒かも違います。

特に溶液と溶媒は間違えやすいので注意が必要です。

溶液は、溶媒と溶質を合わせたものであり、溶媒は物質を溶かしている液体となります。

「溶液=溶媒+溶質」という関係になっているということです。

例えば、1L=1kgの水に200gのNaClを溶かした結果1.1Lの食塩水ができたとします。

このとき、3つのステップに分けてモル濃度と質量モル濃度を求めてみましょう。

まず①NaCl200gをmolに変換します。

モル濃度でも質量モル濃度でも、まず溶けているNaClが何molかを求める必要があります。

NaClは58.5g/molです。これは式量として問題文で与えられます。

これを使えば、200gのNaClのモル数は200/58.5=3.4molとなります。

次に②モル濃度を求めていきます。

モル濃度を求めるときには、溶液の体積つまり「溶媒と溶質を合わせた体積」を分母にする必要があります。

今回の溶液は1.1Lの食塩水です。

そのため、モル濃度=3.4mol / 1.1L =3.1mol/Lとなります。

溶媒の水1Lで割る訳ではないので注意しておきましょう。

最後に③質量モル濃度を求めていきます。

質量モル濃度は溶媒の質量が分母なので、質量モル濃度= 3.4mol / 1kg =3.4mol/kg となります。

溶液の質量1.2kgで割る訳ではないので注意してください。

このように、モル濃度と質量モル濃度で分母が溶媒と溶質を合わせた溶液なのか、それとも溶媒だけなのかが異なっているので、問題を解いていく際は注意しておくようにしましょう

化学反応式とは

そもそも化学反応式とは、反応前の物質と反応後の物質変化を示す式です。

入試や共通テストで出題される問題の形としては、「AとBを反応させたらCができた。Aは10gあったが、生成したCは何gか?」といった問題です。

この際にはじめにやるべきことが「化学反応式を作る」ということになります。

東大毎日塾<br>うっちー

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うっちー

molの単位の4つの役割をしっかりと覚えて間違えないようにしましょう。

化学反応式の作り方

化学反応式の作り方を学ぶ上で、例としてエチレンが酸素と反応して、二酸化炭素と水が生成される式を考えていきましょう。

使用する分子はこちらの通りとなります。

  • エチレン C2H4
  • 酸素 O2
  • 二酸化炭素 CO2
  • 水 H2O

化学反応式を作る際には次の3ステップです。

  • まず初めに反応に出てくる物質を全て書き出す
  • 次に両辺の原子数を合わせる
  • 最後に分数があれば解消しておく

反応に出てくる物質をすべて書き出す

ステップ1として「反応に出てくる物質を全て書き出す」から始めていきます。

C2H4 + O2 ⇨ CO2 + H2O

左辺には反応する物質を、右辺には反応した後に生じた物質を書き出します。

この時、左辺と右辺の原子数は異なっているかと思います。

例えば、左辺ではCの数がC2H4 の分子にある2つ分となっていますが、右辺ではCO2 の分子にある一つ分となっていますよ。

このように、一つの数式の中で原子数が異なっている状態だと正しい化学反応式とは言えません。

そのため、次にステップ2として「両辺の原子数を合わせる」をやっていきます。

左辺の原子数と右辺の原子数をそれぞれ書き出してみると下記の感じです。

左辺には下記のようになります。

  • C2H4 に「Cは2つ、Hは4つ」
  • O2 に「Oが2つ」

一方で右辺には入っていることになります。

  • CO2 に「Cは1つ、Oは2つ」
  • H2Oには「Hが2つ、Oが1つ」

これら全ての原子の数が等しくなるように、各項に係数をかけることで合わせていきましょう。

原子数を合わせるコツは「登場する回数や数が少ない原子」から合わせるとやりやすくなります

今回の式でいえば、CとHの登場する原子数が2回ずつと少なく、Cの方が個数が少ないのでCから合わせるようにしていくのが良いです。

一方で、Oの原子は登場する回数も数も多そうです。

これには理由があり、Oの原子は色々な物質と反応しやすく、多くの項に出てくるので基本的には後回しにしていくようにしましょう。

これらを踏まえると、今回の式では、C・H・Oの順番で数を合わせていくと比較的楽に作れるということです。

では各項に係数をかけていきましょう。

ステップ1:C

まずはCから始めていきます

左辺にはC2H4 に「Cは2つ」で、一方で右辺にはCO2 に「Cは1つ」となっています。

原子の数を合わせようとする場合、例えば左辺のC2H4 には1を右辺のCO2 に2をかけると原子の数が合うようになります。

Cを合わせるために、各項に係数をかけると下記の感じになります。

1C2H4 + O2 ⇨ 2CO2 + H2O

ステップ2:H

次にHを合わせていきましょう

左辺にはC2H4 に「Hは4つ」で、一方で右辺にはH2Oに「Hは2つ」となっています。

原子の数を合わせようとする場合、左辺のC2H4 の係数は1とさっき固定されたので、右辺のH2Oに2をかけると原子の数が合うようになります。

1C2H4 + O2 ⇨ 2CO2 + 2H2O

ステップ3:O

最後にOの数を合わせていきます

左辺にはO2に「Oが2つ」で、右辺には先ほどかけた分のCO2 が二つ分とH2Oの二つ分があります。

これらを合わせると「Oは6つ」となっていますよ。

そのため、左辺のO2に3をかけることで数が合うことがわかります。

  • 1C2H4 + 3O2 ⇨ 2CO2 + 2H2O

このような形で係数を調整していくことで、化学反応式を作ることができます。

ただ、今回紹介した化学反応式の作り方のうち、ステップ3の「分数」についてはこのエチレンの化学反応式には出てきませんでした。

分数が発生する反応式の例を紹介するために、アンモニアと酸素が反応して一酸化窒素と水が生成される化学反応式を作ってみましょう。

東大毎日塾<br>うっちー

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うっちー

上記ステップ1~3で一度化学反応式を作ってみましょう!

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分数が発生する反応式の例

登場する分子は

  • アンモニアはNH3
  • 酸素はO2
  • 一酸化窒素はNO
  • 水はH2O

となります。

まず、ステップ1としてそれぞれを並べていきます。

NH3 + O2 ⇨ NO + H2O

この数式に対して、まずは窒素Nの登場数が少ないため、この原子数を合わせていきます。

右辺も左辺も同じ数になっているため、それぞれ1で問題ありません。

1NH3 + O2 ⇨ 1NO + H2O

次に水素Hを合わせていきましょう。

左辺にはHが3つ、右辺にはHが 2つとなっています。

左辺のNH3はさっき1を入れて合わせたので、今回は右辺に分数をかけていきます。

右辺のH2Oに3/2をかけることで原子数が合います。

1NH3 + O2 ⇨ 1NO + 3/2H2O

最後にOを合わせていきましょう。

右辺のOの数はNOの一つとH2Oが3/2個あるので、合計で5/2個となります。

また、左辺にはO2としてOが2個あります。

この左辺のO2に何をかければOの数が右辺の5/2個と同じ個数になるかを考えてみると、O2に5/4の係数をかければ個数が合うことがわかりますよ。

1NH3 + 5/4O2 ⇨ 1NO + 3/2H2O

これで右辺も左辺も個数が合うようになりました。

ただ分数が残っているので、両辺に4をかけることで解消されるはずです。

4NH3 + 5O2 ⇨ 4NO + 6H2O

これで化学反応式が完成しました。

このように化学反応式を立てることができると、問題に物質量が出てきた時に使うmol比がわかるようになります。

先ほど作ったエチレンと酸素の化学反応式を使ってみていきます。

  • 1C2H4 + 3O2 ⇨ 2CO2 + 2H2O

この時のモル数の比は数式の係数の通り、C2H4 : O2 : CO2 : H2O=1:3:2:2となります。

例えば、1molのエチレンC2H4 を使って反応させるには3molのO2が必要になり、反応後はCO2 とH2Oはそれぞれ2mol分が発生するということです。

このようにしてmol数がわかるようになると、粒子の数や質量、体積までわかるようになります。

また、化学反応式からmol数を求めたり、質量を求めたりする問題は頻出問題となります。

次の章では、この「化学反応式とmol数を求める問題」についても解説しますので、演習を通してしっかりと解法を覚えていきましょう。

東大毎日塾<br>うっちー

東大毎日塾
うっちー

化学反応式からmol数を求めたり、質量を求めたりする問題は頻出問題です。しっかりと覚えていきましょう!

2024年の化学基礎の共通テスト

ここまで、molの基礎知識と化学反応式の作り方を解説していきました。

これらの知識を使って、2024年の共通テストに出てきた化学基礎の問題を一緒に解いてみましょう。

問題文はこちらです。

==========

メタンCH4を完全燃焼させたところ,18gの水H2Oが生成した。

このとき、生成した二酸化炭素CO2は何gか。

原子量はH=1.0, C=12,O=16で与えられています。

==========

この問題から早速解いていきますが、問題を解く時の解法としては、

  • ①まず問題にある反応を化学反応式にしていって
  • ②その中でmolに変換可能な物質のmol数を計算して、化学反応式の係数の比を用いて求めたい物質の計算を行う

という流れになります。

今回の問題では、

  • ①メタンが完全燃焼する反応を化学反応式にして
  • ②molに変換可能な水のmol数を計算して、メタンの化学反応式の係数の比から質量を求める

という流れになりますね。

ではこの問題を解くために、①の問題の化学反応式から作っていきましょう。

化学反応式を作るためには、先ほど紹介した3ステップを使っていきます

各分子を書き出す

ステップ1は、まず各分子を書き出すところからです。

「メタンCH4を完全燃焼させる」という日本語は「メタンCH4と酸素O2を反応させる。」と同じ意味なので、各分子を並べてみると下記の感じになります。

CH4 + O2 → CO2 + H2O

原子の数を合わせる

次に、ステップ2として原子の数を合わせていきます。

登場する数が少ない原子から合わせていくのがセオリーなので、C、H、Oの順番で合わせていきましょう。

Cは左辺も右辺も同じなので1のままとします。

Hは右辺のH2Oに2をかけると左辺と合いそうです。

CH4 + O2 → CO2 + 2H2O

最後のOは右辺にあるOの数が4つなので、Oが2個あるところに、2をかけると良さそうです。

CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

分数をなくす

ステップ3で分数を無くすことが必要になりますが、今回は分数がないのでやる必要がありません

したがって、こちらが化学反応式になります。

CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

これで、原子の数はCもHもOもあっているはずです。

水の重量を用いてmolを計算する

次に水の重量を用いてmol数を計算していきます

原子量・分子量・式量にg/molをつけたものがmol質量です。

今回の水ではH2Oは問題文にあるように、Oの原子量は16、Hが1なので、「16+1*2= 18」となります。

そのため、mol質量は18g/molとなります。

問題文を見ると「18gの水が生成した」とあるので、18g分の水のmol数は「18g ÷ 18g/mol = 1 mol」となります。

ここまで理解できれば、化学反応式でわかったmol比から二酸化炭素のmol数を計算していきます。

CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

水の係数が2、二酸化炭素の係数が1なので、二酸化炭素のmol数は水のmol数の半分の0.5molであるということがわかります。

最後にモル質量の関係から、二酸化炭素の分子量とモル数を使って重量を求めていきます。

CO2の分子量を計算すると、Cは12、Oは16なので「12+16*2=44」となります。

そのため、mol質量は44g/molです。

二酸化炭素のmol数は④で求めた通り0.5molなので、二酸化炭素の質量は「44g/mol *0.5mol = 22g」になります。

なお、同様にCH4やO2についても反応式の係数を見れば、それぞれ1molと0.5molだということもわかります。

mol体積を用いた問題の代表例

ここまでの解説で、mol質量を使うことにより、mol数や実際の質量を求めることができることがわかったかと思います。

もう一つ代表的な問題として「mol体積」を用いた問題があります。

mol体積は「標準状態である0℃、1気圧(1.013×105Pa)の環境のもとで、1molあたりの体積は22.4L」という性質です。

このmol体積を用いた問題をまた解いてみましょう。

問題はこちらです。

==========

標準状態で50mLの気体がある。この気体の物質量は何molか?またこの気体が水素であった場合、その質量は何gか?

Hの原子量は1とする。

==========

この問題を解く時には、どのような気体であれ「1molあたりの気体の体積は22.4Lである」

というmol体積の性質を用いて解いてみましょう。

50mlの気体のmol数は

50*10-3 L / 22.4 L/mol =2.2 * 10-3 mol

ということがわかります。

そして「気体が水素の場合の質量」に関しては、水素のモル質量から求めていきましょう。

水素原子Hの原子量は1なので、水素分子H2のモル質量は2g/molとなります。

また、先ほどの計算から、2.2 * 10-3 molの気体があることがわかっています。

そのため、この水素の質量は下記の通りです。

2g/mol * 2.2 * 10-3 mol = 4.4 * 10-3 g

これがmol体積を用いた質量の求め方、mol数の計算の仕方になります。

こちらも頻出問題になるので解法を覚えておきましょう。

東大毎日塾<br>うっちー

東大毎日塾
うっちー

いかがでしたか?わからない部分があった場合には、今一度上記を見ながらやってみましょう。

mol体積と化学反応式を用いた計算問題

標準状態で44.8Lの気体の水素がある。この気体の水素と酸素を反応させて水を発生させると何gの水が生成されるか?水の物質量は何molか?

使用する基礎知識は、先ほど紹介したmol体積とmol質量となります。

これらと化学反応式を用いた問題です。

問題を解く時の大きな流れを作っていくと、

  • ①まず水素と酸素を反応させる化学反応式を作って、
  • ②molに変換可能な水素の体積からmol数を計算して、水のmol数や質量を求めていく

という流れになります。

二つ前の例題とほとんど同じで、mol数の求め方が体積なのか質量なのかの違いであることがわかると思います。

原子や化学式の作り方は違っても、解法としては似てくるのが基本的なmol計算の単元となるということがわかります。

では問題文に戻って、まずは化学反応式の整理から行いましょう。

問題文には「水素と酸素を反応させて水を発生させる」とあるので、化学反応式は

2H2 + O2 ⇨ 2H2O (作り方は省略)

で表されます。

また、問題文を読むと「標準状態で44.8Lの気体の水素」を反応させていることがわかります。

mol体積の性質として「1molあたりの気体の体積は22.4L」があるので、この水素の物質量は

44.8L ÷ 22.4 L/mol = 2 mol

ということがわかります。

さらに、化学反応式の係数を用いると、mol比がわかるということを覚えていますでしょうか?

今求めたいものは水の物質量なので、水素と水のmol比を用いると、

H2 : H2O = 2 : 2 =1 : 1

となります。

水素の物質量は2molなので、水の物質量も2 molです。

次に、生成される水の質量を求めてみましょう。

先ほどの問題と同様に、mol質量の性質も用いていきます。

 H2Oの式量は1*2 + 16 = 18

そのため、水のmol質量は18g/molとなります。

今、物質量は2mol分あることがわかっているので、発生した水の質量は、

18g/mol * 2 =36 g

ということです。

解いている過程を見ることで、簡単だと思っていただけたら嬉しいです。

共通テストに出てくる複雑そうな問題のレベルでも、実際は単純な化学反応式の作り方と、mol質量やmol体積の変換の仕方だけを覚えていれば解くのは意外と簡単です。

東大毎日塾<br>うっちー

東大毎日塾
うっちー

mol質量やmol体積の変換の仕方、単純な化学反応式の作り方を覚えておき、繰り返し練習問題を解いていきましょう!

まとめ

本記事では、mol計算や化学反応式を解説しました。

molの計算は苦手と思っている人も、本記事を繰り返し呼んで基礎知識と問題の解法を身につけるようにしましょう。

基礎問題から始めて、応用問題、入試問題と問題演習のステップアップをすることで

問題の傾向も分かるようになります。

「ステップアップ」と聞くと問題のレベルが上がっているようにも思えますが、解法自体は意外と同じような流れなので、確実に点数を取れるようにしていきましょう。

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