どうも!東大毎日塾のうっちーです!
今回は古文文法完の覚え方を、累計指導実績1,000人以上の東大毎日塾を運営している僕が
漏れなく解説していきます。
本記事を見てくれている人のほとんどは、古文に苦手意識がある人なのではないでしょうか。
でも実は、古文は現代文と比べると得点しやすい単元なんです。
なぜなら、古文は文法と単語を理解できれば安定して得点できるからです。
文章のジャンルや問いの内容によって点数がブレやすい現代文とは異なり、古文は基礎を定着させることで安定して高得点が取れます。
そのため、国語の点数を伸ばしたいのなら、古文を得点源にすることが効率的です。
そのため本記事では、古文の勉強をほとんどしたことがないという人でも理解できるように、基礎的な文法事項を1つずつ解説します。
見たい場所に飛べる目次
国語の点数を伸ばすなら古文を得点源にする
大事なことなのでもう一度お伝えするのですが、国語の点数を伸ばしたいのであれば、古文を得点源にすることが効率的です。
そして、古文を学ぶことには次のようなメリットがあります。
- 初見の文章でもスラスラ読めるようになる
- 現代文も含めた国語の点数が安定する
- その結果、テスト・模試の得点アップや志望校への合格が大きく近づく
もし古文の点数を伸ばせないと、点数のブレやすい現代文頼りになってしまい、肝心な模試や試験で点数が取れないなんてことになってしまいます。
しかし逆をいえば、古文をしっかり押さえておくことで、どんなに難しい現代文が出題されようと、ある程度は国語の点数を安定させられるのです。
では、どうすれば古文の点数を伸ばすことができるのかといえば、すべての答えは文法にあります。
古文は文法の理解度によって大きく点数が左右される科目です。
そのため、動詞、形容詞、形容動詞などの用言・助動詞・助詞・敬語を始めとする文法事項をしっかり押さえておけば、読んだことがない文章が出題されても太刀打ちできるのです。
これは、英語で文法が分からないと長文が理解できないことと同じです。
本記事を通して古文の文法を押さえられれば、定期テストや模試で初めて見る古文の文章が出題されてもしっかりと解けるようになります。
最終的には高校受験・大学受験で志望校への合格が大きく近づくので、学んで損することはありません。
東大毎日塾
うっちー
古文を得点源にするのは非常に重要です!しっかりポイントを押さえていきましょう!
古文文法の覚え方まとめ!
ここからが本題です。今回解説する文法は
- 動詞、形容詞、形容動詞
- 助動詞
- 助詞
- 敬語
この4つになります。
この中でも特に『助動詞・助詞・敬語』の3つは重要になります。
その理由をそれぞれ説明すると、助動詞は文の中では存在感が小さい品詞に思えるかもしれませんが、助動詞の存在一つで、否定や受け身など、文全体の意味が大きく変わります。
また、古文の助動詞は現代文とは違った意味で使われるものも多いため、なんとなくではなく、正しい意味を押さえる必要があるからです。
助詞に関しては、助動詞と同じく、文章全体の意味を変える要素となる品詞です。
現代語と異なる使われ方をすることも多いため、こちらも正しい意味を覚える必要があります。
そして敬語に関しては、古文の文章は主語が省略されているものがほとんどです。
そのため、文章を読み進める際は、文中の敬語が誰に向けて使われているかを理解することで主語を推測できます。
登場人物の行動や関係性を理解する上で、敬語はとても重要なのです。
これらのことから『助動詞・助詞・敬語』の3つは重要になってきます。
どの文法事項も覚える内容がたくさんあるので、一度で理解できなくても問題ありません。
ぜひ何度も読み返しながら、文法事項を身につけていきましょう。
動詞
動詞で覚えるべき文法事項はズバリ「活用形」です。
活用形とは、下につく語によって、その上の活用語が変化した語形のことです。
例えば『咲く』という単語の下に『ず』という助動詞がつくと、『咲かず』というふうに動詞の形が変わります。
この『咲か』の部分が活用形なのです。
動詞には、未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形の6つの活用形があります。
これらの活用形の名前は、聞いたことがあったとしても「なぜ覚える必要があるのか」が分からない人もいるのではないでしょうか。
そのような人のために、活用形をなぜ覚える必要があるのかを説明します。
動詞の活用形を覚えなければならない理由は、その動詞に続く助動詞の意味を正確に見極められるようになるからです。
例えば「花咲かぬ時」と「花咲きぬ。」
詳しくは助動詞の章で解説しますが、それぞれ「花が咲かない時」と「花が咲いた。」と同じ「ぬ」でも全然違う意味になるのです。
このとき「咲か「咲き」という活用形の違いが判別の根拠になっています。
このように、動詞の活用形によって、それに続く助動詞の意味を正確に見極められるようになるのです。
助動詞の意味を取り違えてしまうと文章の内容も大きく変わってしまうため、その判別に必要な動詞の活用形も必ず覚えるようにしてください。
先ほども説明しましたが、活用形の種類は、未然・連用・終止・連体・已然・命令の6つです。
ここからは、それぞれの活用形について簡単に解説します。
未然形
まず未然形ですが「まだそうなっていない」という意味を表し、否定の助動詞「ず」や仮定の助詞「ば」などにつく活用形です。
連用形
続いて連用形ですが、動詞・形容詞・形容動詞といった用言に連なる活用です。
過去の助動詞「けり」や、助詞の「て」などにつきます。
終止形
3つ目は終止形で、文が終わるときに使われます。
已然形
4つ目は已然形です。
助詞「ば」「ど」「ども」などに続きます。
事態がまだ起こっていないときに使われがちな未然形に対して、已然形はすでに起こった事柄を表すときに使われる傾向にあります。
命令形
最後は命令形です。誰かに命令するときに使います。
例えば「思ふ」であれば、このように活用します。
未然形 | 連用形 | 終始形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
思はず | 思ひて | 思ふ | 思ふとき | 思へども | 思へ |
活用形の最後の部分の読み方は、このようになっています。
未然形 | 連用形 | 終始形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
a | i | u | u | e | e |
a・i・u・e の4つの段で活用するので、四段活用と呼ばれています。
他にも合計12種類の活用の型があり、このような表でまとめられます。
覚えるポイントは「活用の仕方」と「見分け方」の2つです。
活用の仕方については、未然・連用・終止・連体・已然・命令の順に、
a・i・u・u・e・e
i・i・u・uる・uれ・iよ
と繰り返し音読するのがおすすめです。
また、動詞の見分け方には、2つのパターンがあります。
- 具体的な動詞を覚えるパターン
- 動詞が多すぎるから活用形で見分けるパターン
まず、具体的な動詞を覚えるパターンは
- 上一段活用
- 下一段活用
- ラ行変格活用
- ナ行変格活用
- カ行変格活用
- サ行変格活用
です。
これらは動詞の数が少ないので、具体的な動詞を覚えてしまうのが楽です。
一方で、四段活用、上二段活用、下二段活用については動詞の数が多すぎるので、活用形で見分けることになります。
わかりやすい判断基準が「未然形がどんな形になるか」です。
先ほどの表をもう一度見てみましょう。
- 未然形がaなら四段活用
- 未然形がiなら上二段活用
- 未然形がeなら下二段活用
となります。
以上の覚え方で、各動詞がどのような活用の型で、どのように活用するのかを判断してみてください。
また、こちらの表は公式LINEでもお渡ししています。
トーク画面で「古文」とメッセージを送っていただければ配布しますので、ぜひこの機会に受け取ってみてください。
ここにLINE追加ボタン
形容詞・形容動詞
続いて、形容詞・形容動詞についてです。
形容詞・形容動詞も動詞と同様に、活用形を覚える必要があります。
この表を見ながら、活用形を押さえてみてください。
形容詞の場合、活用は2種類あります。
「〜なる」と語尾を変えた時に、その前の音が「く」ならク活用、「しく」ならシク活用になります。
- 「よし」なら「よくなる」なのでク活用
- 「うつくし」なら「うつくしくなる」なのでシク活用
シク活用はク活用の前に「し」をつけるだけなので、ク活用のみ覚えておけばOKです。
では、ク活用「よし」の活用の仕方を見てみましょう。
未然形は「よからず」、連用形は「よくて」「よかりて」、終止形は「よし」、連体形は「よき時」「よかる時」、已然形は「よけれども」、命令形は「よかれ」というように活用します。
未然形の「く」はほぼ使わないので、覚えておかなくても問題ありません。
未然・連用・終止・連体・已然の順に、く・く・し・き・けれと繰り返し音読すれば覚えられます。
また、「から・かり・かる・かれ」のほうは「動詞のラ行変格活用(ら・り・り・る・れ・れ)と同じ」と覚えると簡単です。
形容動詞の場合は、終止形が「〜なり」ならナリ活用、「〜たり」ならタリ活用です。
こちらの活用形も「動詞のラ行変格活用と同じ」と覚えると簡単に覚えられます。
以上が形容詞、形容動詞の説明となりますが、動詞ほど活用の種類は多くないので、比較的楽に覚えられるはずです。
ぜひ音読しながら覚えていきましょう!
助動詞
続いて助動詞です。
助動詞には、動詞・形容詞・形容動詞の下に接続して意味を付け加える働きがあります。
最初に説明した通り、助動詞は否定や受け身など、その文章全体の意味を大きく変える要素です。
内容を理解する上で最重要と言っても過言ではない項目になります。
例えば「寝られざりけり」の場合、「寝」「られ」「ざり」「けり」に品詞分解できます。
このとき、助動詞は「られ」「ざり」「けり」の3つです。
それぞれ
- 「られ」は可能の助動詞「らる」の未然形
- 「ざり」は打ち消しの助動詞「ず」の連用形
- 「けり」は過去の助動詞「けり」の終止形
になります。
つまり、このように助動詞の意味がわかって初めて「寝ることができなかった」と訳すことができるのです。
助動詞を理解するポイントは、接続・意味・活用形を押さえることにあります。
①接続
接続とは、どんな活用形の後ろに接続するかを意味します。
例えば、未然形接続の「る」であれば「怒らる」「食わる」のように、未然形の後ろにしかつきません。
他の助動詞の接続についても下記の表にまとめました。
接続は助動詞ごとに決まっているので、同じ活用形に接続するものをグループとしてまとめて覚えていきましょう。
接続(前の活用形) | 後ろにつく助動詞 |
未然形 | る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・まし・じ・まほし |
連用形 | き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし |
終止形 | らむ・べし・らし・めり・まじ・なり |
連体形 | なり・たり・ごとし |
サ変未然、四段已然 | り |
未然形接続だったら「」、連用形接続なら「」…のような感じで、リズムで覚えていくと楽に覚えられます。
②意味
それぞれの助動詞ごとに意味を覚えていきましょう。
ただし、1つの助動詞に複数の意味がある場合もあるので、判別方法もセットで覚える必要があります。
例えば、未然形接続の助動詞「る」「らる」には、受身(〜される)・可能(〜できる)・自発(自然と〜られる)・尊敬(〜なさる)があり、これらは文中から判断する必要があるのです。
そして判別方法ですが、見分け方はある程度決まっています。
例えば、前に「〜に」がくれば「〜に〜される」ということで「受身」になりますし、後に「ず」など打消や反語表現がくる場合は「できる、できない」という意味の「可能」になりやすいです。
また、前に「思ふ」「泣く」など心の動きに関係のある動詞がくれば「自然と思われる」「自然と泣けてくる」のような意味で「自発」に、主語が身分の高い人物の時は「尊敬」になります。
またこの他の助動詞についても、文法書に意味と判別方法がまとまっているので、合わせて確認してみてください。
③活用形
続いて、助動詞自身の活用形についてです。
動詞や形容詞などと同じく、助動詞も活用を覚える必要があります。
例えば「る」であればこのように活用します。
- 未然 連用 終止 連体 已然 命令
- れ れ る るる るれ れよ
実は「る」の活用形は、動詞の下2段活用と同じなんです。
このように、動詞や形容詞と同じ活用形の助動詞も多いので、「〇〇と同じ」とまとめて覚えてしまいましょう。
そして、助動詞は接続や活用形を押さえることで、紛らわしい助動詞の意味を識別できるようになります。
例えば、次の文章で「ぬ」という助動詞の意味の違いを説明できるでしょうか?
- ①花咲かぬ時
- ②花咲きぬ。
①花咲かぬ時の「ぬ」について
「咲か」という未然形の次にきて、「時」という体言に繋がっているため、未然形接続の助動詞の連体形です。
そのため、この「ぬ」は未然形接続の打ち消しの助動詞「ず」の連体形と判別できるわけです。
訳としては「花が咲かない時」となります。
②花咲きぬ。の「ぬ」について
「咲き」という連用形の次に来て、文の終わりに来ているので、連用形接続の助動詞の終止形ということになります。
そのため、この「ぬ」は連用形接続の完了の助動詞「ぬ」の終止形と判別できるわけです。
訳としては「花が咲いた。」となります。
このように、助動詞の接続や活用形を覚えておくことで意味を特定できるので、正確な日本語訳ができるようになります。
古文の読解に絶対に必要になるので、助動詞の接続・意味・活用形は絶対に覚えておきましょう。
「全部覚えられるかな?」と不安に思う方もいると思うので、1枚の助動詞暗記シートにまとめました!
助動詞の覚えるべき内容を全てまとめているので、まずはこのシートだけ丸暗記してしまえば、ある程度古文が読めるようになるはずです。
先ほどの動詞の活用表と同様に公式LINEでプレゼントしているので、ダウンロードしてひたすら覚えていきましょう。
ここにLINEボタン
助詞
続いては助詞です。
助詞も文章の意味を理解するのに欠かせない要素になります。
助詞は、6つのタイプに分類されます。
- 格助詞
- 接続助詞
- 係助詞
- 副助詞
- 終助詞
- 間投助詞
「助動詞もたくさん覚えないといけないのに、助詞まで頭が回らないよ」と思うかもしれませんが、安心してください。
助詞で覚える必要があるのは接続と意味のみです。
助詞は活用しないので、活用形を覚える必要はありません。
また、接続について説明すると、例えば、「ば」という助詞の場合、未然形接続なら順接の仮定条件「もし〜ならば」、已然形接続なら順接の確定条件「〜ので」「〜すると」「〜するといつも」になります。
つまり、接続が決まることで同時に意味も絞られてくるのです。
例文で見てみましょう。
寝られざりければ
品詞分解の様子を挿入(参考:https://www.toudain.com/entry/kobun-study)
接続助詞「ば」は「けり」の已然形に接続しています。
そのため、意味は順接確定になります。
この場合の訳し方はさっきの決まりを見ると、「~ので」「~と」「~といつも」の3通りありますが、全て当てはめてみて一番しっくりくる訳にすれば良いことになるのです。
このように、助詞は接続と意味を覚えると訳せるようになるため、1つ1つ覚えていきましょう!
ただ、この表を見て「え!ここにある助詞全部覚えるのすごく大変そう…」と思いませんか?
実は、ここにある助動詞全てを覚えなくても大丈夫です。
ずばり「現代では使われていない助詞」を優先的に覚えるようにしましょう。
なぜかというと、現代でも使われている助詞は、しっかり覚えなくても自然と訳せてしまうことも多いからです。
例えば「に」という助詞を見てみると
多くの意味がありますが、結局のところ読むときは「に」と訳してそのまま読めてしまいます。
そのため、ここからは特に覚えるべき助詞をピックアップしてご紹介します。
先ほども説明した通り、助詞は働きや使われ方によって
- 格助詞
- 接続助詞
- 係助詞
- 副助詞
- 終助詞
- 間投助詞
に分類されています。
格助詞
体言や連体形に付いて、それが文中で他の語とどんな関係にあるかを示すものです。
「が、の、を、に、へ、と、より、から、にて、して」の10個があり、参考書を見ると意味もたくさん載っています。
しかし、そのほとんどが現代でも使用されているもの、聞けば意味が分かるものです。
例えば「海より船にて出づ」
これは「海から船で出発する」となんとなく分かるかと思います。
ただし「が」と「の」は現代とは違った使われ方をするので、優先的に覚えていきましょう。
接続助詞
活用する語に接続し、前後をつなぐはたらきをするのが接続助詞です。
文章の意味を左右するものであり、助詞の中でも最も重要になります。
「ば、とも、ど、ども、が、を、に、て、して、で、つつ、ながら、ものの、ものを。ものから、ものゆゑ」の16個あります。
このなかでも「ば、に、を、で、ものの、ものを、ものから、ものゆゑ」には意味が複数あったり、現代にはない用法もあったりするため、訳し方をしっかりと覚えましょう。
係助詞
体言や用言などいろいろな語の下について、強調・ 疑問・反語などの意味をそえるのが係助詞です。
「ぞ・なむ・や・か・こそ」の5つがあります。
係助詞には用法の他に、文中に係助詞が使われた時、それが文末の陳述に影響を及ぼす呼応関係を作る「係り結び」という重要なルールがあるので、それらも併せて覚えましょう。
副助詞
副助詞は副詞のように、下の用言や活用連語を修飾・限定する類の助詞のことです。
「だに、すら、さへ、のみ、ばかり、まで、など、なんど、し、しも」の10個があります。
これらのうち、「のみ、ばかり、など(なんど)」は現代と同じ感覚で読むことができますが、「だに、すら、さへ、し、しも」の5つは現代にはない、現代と違う意味を持つものであるため、優先的に確認しておきましょう。
終助詞
終助詞は、文の終わりにあってその文を完結させ、希望・禁止・詠嘆・感動・強意などの意を添える助詞です。
全部で「な、そ、ばや、しが、がな、もがな、なむ、な、か、かな、は、ぞ、かし」の13個があります。
終助詞は格助詞、接続助詞ほど出題頻度は高くありませんが、どれも現代にはない言葉であるため、全部しっかり意味を暗記する必要があります。
ただ、1つの助詞に多くても3つの意味しかないので、比較的簡単に暗記可能です。
間投助詞
間投助詞は文中や文末に用いられ、語調を整えたり、詠嘆や呼びかけなどの意味を添えたりする助詞です。
間投助詞には、「や」「を」「よ」があります。
例えば「今は我は死なむよ」という文章の場合、間投助詞は「よ」であり、「今となっては私は死んでしまいそうだなあ」という意味になるのです。
格助詞ほど頻出するものではありませんが、出題されたときにしっかり訳せるように覚えておいてください。
以上、覚えるべき助詞一覧はこちらになります。
量が多く大変ですが、まずは現代語と訳し方の違うものを中心に、それぞれ接続と意味(訳し方)を覚えていきましょう。
敬語
文法事項のラストは敬語です。
最初に説明した通り、敬語は問題として出題されやすく、主語が省略されやすい古文において主語を特定するのに便利な文法とされています。
敬語の種類は下記の3つです。
- 尊敬語
- 謙譲語
- 丁寧語
尊敬語は目上の人を敬う表現で「相手を立てたいとき」に使うものであり、謙譲語は自分がへりくだる表現、丁寧語は言い回しを丁寧にすることで敬意を表すものです。
そしてここで大事になってくるのが「敬意の方向」になります。
主語を推測する上で、誰に向けての敬意かを理解しておくことが必須であるためです。
敬語の種類ごとの敬意の方向について、もう少し詳しく説明しましょう。
尊敬語なら敬語の使用者→動作の主体、謙譲語なら敬語の使用者→動作の対象、丁寧語なら敬語の使用者→聞き手(読み手)となります。
尊敬語 | 敬語の使用者→動作の主体 |
謙譲語 | 敬語の使用者→動作の対象 |
丁寧語 | 敬語の使用者→聞き手(読み手) |
例えば、「大納言、袴を給ふ」という例文で考えてみます。
まず「給ふ」は主語が大納言なので尊敬語です。
そのため、敬意の方向は、地の文であるため作者から大納言、訳し方は「大納言が袴をお与えになる」となります。
ここまでは現代語と変わらないので理解しやすいかと思います。
そして古文の敬語で特徴的なのは、本動詞と補助動詞があることです。
本動詞がそれ自体で動作的意味を持つものであるのに対し、補助動詞は本来の動作的意味を失い、上の語を補助したり意味を添えるものになります。
例えば「大納言、袴を給ふ」の「給ふ」は「お与えになる」という意味の本動詞です。
一方で「大納言、泣き給ふ」の「給ふ」の場合は「泣きなさる」という形で「泣く」という動詞に敬意を持たせる補助動詞の役割になります。
下記によく出る敬語一覧をまとめたので、元の動詞と訳し方をセットにして覚えてみましょう。
東大毎日塾
うっちー
いかがでしたか?古文文法の様々な覚え方を解説させていただきました。
まとめ
本記事では「古文文法の覚え方まとめ」というテーマで解説をしました。
古文の主な文法事項は下記の4つです。
- 動詞、形容詞、形容動詞(用言)
- 助動詞
- 助詞
- 敬語
特に、下記の内容は非常に重要であるため、優先的に覚えることを推奨します。
- 文全体の意味を大きく左右する助動詞
- 文章全体の意味を変える要素となる助詞
- 登場人物の行動や関係性の判断材料になる敬語
また、それぞれ以下のポイントを重点的に覚えるようにしましょう。
- 動詞、形容詞、形容動詞は活用形
- 助動詞は意味と活用形と接続
- 助詞は意味と接続
- 敬語は訳し方と敬意の方向
これらを徹底的に暗記すれば、古文はむしろ得意科目になるでしょう。
また、受験勉強やそれぞれの科目で少しでも悩みがあれば、まずは「東大毎日塾の無料個別相談会」を活用してみてはいかがでしょうか?
「一人では学習が思うようにいかない」という学生さんたちのために僕らがいます!
下記の公式LINEのURLをタップするだけで簡単に相談できるので、積極的にご活用ください。
あなたの勉強環境を今すぐ変えて改善できるものはすべて揃えていますので、ぜひLINEから受け取ってください。
14日間無料体験実施中/
40000円キャッシュバック中